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【ワイン】モンテプルチアーノ・ダブルッツォはちょっぴり冷やしめで

 

 手頃でおすすめなワインを教えて欲しいと言われて、大抵答えるのがモンテプルチアーノ・ダブルッツォだ。

 南イタリアの赤ワインなのだけど、安い価格でもしっかりと濃い味わいが楽しめて、渋みがあまり強くないので幅広い人に楽しんでもらえる(赤ワインの渋みが苦手という人はけっこういるので、渋みが抑えめというのは重要)。いろいろな作り手のモンテプルチアーノ・ダブルッツォが出回っている上に、はずれも少ないのでいいものを探しやすい。1,000円台で十分に美味しいものが見つかる。困った時は確実な安牌として選んでもらえるワインだ。
 味わいについてもう少し詳しく説明すると、いきいきとしたフレッシュな果実を凝縮したような、単純明快でとても人懐っこいタイプ。陽気なイタリア人的なワイン、といって伝わるかは心もとないけれど、ともかく気持ちとしてはそんな感じ。「若飲み」と表現されるが、熟成をさせるのではなく若々しいままで楽しんでしまうタイプのものが多い。
 パスタと合わせるととても美味しい。特にトマトソースやミートソースは相性抜群。ぜひ熱々の料理と合わせてほしい。そして欲を言うなら、ワインの温度を少しだけ下げて飲むとより完璧になる
 一般に白ワインは冷やして飲む、というのは浸透しているが、赤ワインも実は冷やしたほうがずっと美味しい。ただし、白ワインのようにしっかりと冷やすと逆に味わいが損なわれる場合が多いので、注意がいる。赤ワインのタイプにもよるが、だいたい15〜20度くらいが理想の温度だ。
 ワインによって、この幅の中で理想の温度が変わる。例えば渋みのしっかりとしたタイプは、20度前後が理想となる。それより低いと却って渋みが強調されてしまう。逆に渋みの抑えめなモンテプルチアーノ・ダブルッツォのようなワインは、15度前後が一番おいしい。温度が高いと、ワインの果実味がどことなくくぐもってしまって、冴えない印象の味わいになってしまいがちなのだ。
 ワインの保管は常温でいいけれど、冷やして飲むためには、事前に30分位前に冷凍庫に放り込んでおけばいい。それで大体理想的な温度になっている。料理の温度をちょっぴり高めにすれば、少し冷えたワインの味わいがより心地よいものになる。
 赤ワインを冷やして飲む習慣のない方、ぜひ一度お試しあれ。

 

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